2-7 自治労の対応

成立したセンター法に対する自治労のコメント

自治労では、フェニックス法制定直後に、評価を報告している。その中では、単に運動としての評価だけでなく、最終処分場を建設したことにより「ごみを出しても大丈夫」とならないように、注意する必要があることを記載している。 (詳細公開調整中)
 廃棄物の発生、とりわけ産業廃棄物の減量化、再生利用の具体的措置を行う必要がある。  現状の産業・経済活動の結集、排出される大量の廃棄物を規制せずに、その処理・処分を負う広域埋立処分場整備計画は 将来的な廃棄物処理政策の方向に逆行する恐れがある。

自治労の対応の変化

 自治労は当初、フェニックス計画には反対の立場を貫いていた。特に大阪支部から、「港湾にごみを持ってくるなどとんでもない」など環境汚染の視点から反対の動きを行い、法案が議論している間も、国会議員を回って反対するよう呼び掛けていた。  自治労大阪支部の中でも、港湾部局や上下水道の部局については、反対一辺倒であったが、ごみの部局は別の事情を抱えていた。その当時、各自治体ではごみ量が増加するものの処理が間に合わず、特に最終処分場が不足していた。大阪周辺ではため池を確保しては埋立に使っていたが、どうしても確保できない自治体は、遠く瀬戸内の無人島に運んで処分を行っていた事例もあり、よもすれば不適正な処理・処分が発生しかねない状況になっていた。行政が関わった一般廃棄物でもこの状況であり、産業廃棄物の不法投棄などは手が付けられなくなる可能性もあり、そんな中ではフェニックス計画は、理想的な処分場を作るまたとない機会にも見えた。これを機会に、手本となるような最終処分場を作り上げるという視点で、途中から条件闘争へと転換がなされた。そんな交渉の中で、先進的な環境対策や、ごみ減量施策、ごみに関する研究所の設置、産業廃棄物の把握制度などの合意を作り上げていった。 当時は、厚生省のごみ担当は小さな部局であり、これを機会にごみ管理体制を強化していく視点では自治労の主張に合致しており、自治労と調整をしながら法案成立が進められていった。

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