2-3 第94回国会 参議院 運輸委員会、地方行政委員会、社会労働委員会、公害及び交通安全対策特別委員会連合審査会 第1号 昭和56(1981)年5月29日
衆議院では通過し、参議院での決議の5日前の段階で、運輸委員会が開催され、フェニックス計画について議論がなされた。この時点での想定として、1人あたりのごみ量が年間1.9%増が続くことなどが前提として検討されている。焼却やリサイクルの推進などにより、最終処分場がそれほど必要でなくなる可能性などが指摘されている。
○江田五月君
今度はごみが一体どのくらいふえるかという話ですがね。このフェニックス計画の前提となるごみの発生量と処分量の将来予測というものがあるわけですけれども、これは昭和五十二年の調査をもとにして一日当たり一人どのくらいごみを出すかということを計算をされた。そしてその出てきた答えに一人当たりの出すごみが年率一・九%でしたかふえる。あるいは人口も一・三%でしたかふえるというようなことをもとにして将来のごみの量を推計されているというふうに伺っておりますが、大体そういうことでよろしいんですか。
○政府委員(山村勝美君) 大体そういうところでございます。
資料:参議院議事録
○江田五月君 市民運動、住民運動というのを敵視するようなことがあっちゃいけないんで、そういう運動によって、あるいはそういう運動と連携した自治体の活動によってごみをそこまで減らすことが現にできているところがある。ところが、このフェニックス計画のようなことをやっちゃうと、そういう努力は何かよそから見るとばかなことをやっているなというようなことになっちゃうんじゃないか、これを心配するわけですね。
可燃ごみにしてもいま五二%しか焼却していない。焼却する場所がなかなかつくれないというようなこともある、それはそのとおりで、確かに御苦労はわかる。しかし、何とか焼却の場所をみんなで努力をしてつくって可燃ごみを全量焼却するようにしていけば、これも東京都の実績で言えば可燃ごみというものは全部焼却をすると十一・五分の一になるというんですね。そうしますと八〇%のごみが、十一・五分の一を仮に十分の一になるとしても八%になる。一〇〇%のごみが、不燃ごみのうちの一〇%はリサイクルに、可燃ごみ八〇%のうちの九割は焼却で体積を減らす。そうすると、一〇〇のごみのうちの最終処分されなきゃならない量というのは一八になるわけですね。こうやってずっと量を推計していきますと、昭和六十年から十年間、このフェニックス計画によって最終処分場に埋め立てなきゃならないほどの必要はなくなる。
〔委員長代理桑名義治君退席、委員長着席〕
いま努力をして探している最終処分場のこれからの伸び率、将来ずっと先々までどうなるかというのはまだわかりませんが、まだまだそういうところで賄い切れるんじゃないか。そういう中でもっとリサイクルに真剣に自治体も取り組んでいくというようなことが見通されていくんじゃないか、フェニックス計画は甘いんじゃないか、そういう真剣な対応がないんじゃないか、こういう気がしますが、いかがですか。
資料:参議院議事録
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