1-1 第82回国会 衆議院 地方行政委員会 第3号 昭和52(1977)年10月27日
国会の議事録ではじめて「フェニックス計画」が示されたのは、1977年にさかのぼる。議事録では大都市圏での最終処分場確保が困難となり、国がかかわった大規模海面埋め立て処分場を建設することが記録されている。
当初は、近畿圏だけでなく、首都圏についても、建設する構想がされていた。
○三谷委員 先般、近畿圏あるいは首都圏におきまして、ごみの最終処理場の問題で非常に困難な状況に置かれておるということをお尋ねしましたが、それについて、厚生省の方で首都圏、近畿圏におきまして最終処理場を設置する、大都市の海上における廃棄物最終処理場の建設案というものが新聞などを通じまして報道されましたが、これについてはどのような御計画なのか、あるいは規模はどのようなものをお考えになっているのか、その内容はどういうものなのか、あるいはそれは一般廃棄物を対象にするのか、産業廃棄物を対象にするのか、廃棄物の種類等について御説明いただきたいと思います。
○森下説明員 四月に先生の方からこの処分場の問題で御指摘がありまして、早速対策をいろいろ検討したわけでございますが、特に大都市、近畿圏、首都圏ではこういった問題が大変だ、周辺の陸上では埋め立てが困難である、また遠隔地に持っていくということも輸送の問題から大変困難であるというふうなことから、実際につくりますにはいろいろな難点があるかと思いますけれども、スペースとしてはやはり海面を利用せざるを得ないというふうなことで、貴重な海面の利用を関連いたします都府県あるいは市町村の利害の調整を図りながら、国の関与のもとにやっていこうというふうなことで考え方をまとめて、いま財政当局に予算を要求しております。
考え方は、ステップといたしましては、まず関連いたします自治体の利害を調整するための準備のための会をつくりまして、第二番目といたしまして、必要な資金の調達、それから技術を結集いたしまして国が——国がと申しますのは、国が既存の公団あるいは事業団のうちから最も適当なものを用いまして最終処分場を建設する。第三番目に、できました処分場を自治体に貸与いたします。そしてこの中に廃棄物の埋め立て処分をしてもらおうということでございまして、建設、貸し付けは国のレベルで行います。そして、その中に廃棄物を処分するという事業は自治体が運営するということでございまして、全体の規模といたしましては、面積でございますが、首都圏の分として考えておりますものが千九十ヘクタール、仮に正方形の処分場ということにいたしますと三・三キロメートルの真四角になるわけでございます。それから近畿圏に考えておりますのが六百八十ヘクタールということで、およそ二・六キロの正方形というふうなことになります。実際の形は変わるわけでございますが、大きさとしてはそのくらいのものでございます。
そうしてその処分いたします物でございますが、昭和六十五年度までに排出される一般廃棄物の——一般廃棄物と申しましても焼却などをいたしますから焼却残渣の形になりますが、一般廃棄物の相当な部分、それから産業廃棄物に関しましても、都市の事業活動、たとえば上水道とか下水道から汚泥が出てまいりますが、これは分類上は産業廃棄物になります。こういったものを中心にいたしましてそのほかの産業廃棄物を対象にしております。
現在このプロジェクトをフェニックス計画という名前のもとに、私ども関係省庁と折衝を続けながら実現に向かっておるわけでございまして、来年度の事業といたしましては、これに必要な調査並びに関係府県、市町村の調整を行うというふうなことで、二億二千万円を要求してございます。
引用:衆議院議事録
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