持続可能な社会をめざして by NPO法人 環境安全センター
持続可能な社会を支えるごみ処理の提言 †A4サイズ 190ページ お申込みはNPO法人環境安全センターまで直接お願いします。1冊1000円(税込み1080円)で頒布しております。電子書籍(kindle)としても購入いただけます。 (前文より) †「値段が安い」「効率的」「便利」などと言われると、誰だってつい耳を傾けてしまう。しかしごみ処理に関していえば、そうした甘い言葉により、不法投棄や環境汚染など多くの問題が引き起こされてきた。ごみの取り扱いには、街と市民生活と環境を守るという、市場競争にはなじまない公共的なサービスの側面があることを、改めて見直す必要がある。ごみ収集という地域的な公共的サービスの提供に関して、市場効率性の追求が不適切であることは、平成26年の最高裁判所判決でも示されている(3.7参照)。 21世紀に入り、ごみをとりまく状況が変化してきた。最終処分場を適正に維持管理することが困難であることが明らかとなり、場合によっては埋立終了後100年近くも排水処理を継続する必要がある。新たな収入がない状態で、地域を守るために100年間維持を続けることは、公共が行うとしても大変であり、ごみ処理のあり方を改めて考える必要がある。 日本は現在、地震の多発する時代に入ったとされる。2011年に甚大な被害を起こした東日本大震災だけでなく、今後30年間のうちには、さらに巨大な被害を引き起こすとされる首都圏直下地震、南海トラフ巨大地震の発生する確率がいずれも7割以上あるとされている。被害を最小限に抑えるとともに、迅速な復旧をするためにも、官民協力してごみの処理に当たる必要がある。 持続可能性や環境をめぐる世界情勢も大きく変化している。2015年9月には国連で持続可能な発展に向けた2030年までに達成すべき17の目標、SDGsが採択された(4.3参照)。また同じく2015年12月には、地球の気温上昇を2℃(可能な限り1.5℃)未満に抑えるパリ協定が合意され、21世紀中には実質化石燃料を使わない社会を構築することとなった(4.5参照)。新たな社会を構築するための模索がされている。SDGsで示される社会像は、途上国の発展のためだけでなく、先進国において必要とされる項目も多くある。目標の一つに、働きがいのある仕事(ディーセント・ワーク)があり、労働組合として働くことの意味を改めて問うていく必要が求められている。 いままでと同じ未来はない。状況が変化していく中で、多くの問題が発生する。その現場で問題を見て、考え、発信し、議論を呼び起こしていくことが、私たちができる唯一の問題解決の手段である。 目次 †第1章 廃棄物処理の課題と現状 第2章 災害廃棄物への対応 第3章 ごみ収集の民間委託と公共サービス 第4章 持続可能な社会に向けた動き 第5章 21世紀の廃棄物処理のあり方への提言 執筆者:廃棄物問題研究委員 †京エコロジーセンター 館長 高月 紘 自治労大阪市従業員労働組合環境事業支部 支部長 北川 滋雄 |