持続可能な社会をめざして by NPO法人 環境安全センター
廃棄物先進都市大阪の挑戦 †A4サイズ 190ページ お申込みはNPO法人環境安全センターまで直接お願いします。1冊1000円(税込み1080円)で頒布しております。電子書籍(kindle)としても購入いただけます。 (前文より) †大阪は廃棄物処理の先進都市であった。そして、現在もなお先端を走り続けている。 とは言っても、先進であることが「褒められること」とは限らない。歴史には残りにくいが、先進的であるがゆえに数々の失敗も積み重ねてきている。以前は先進的であったことが、時代が変ることにより、いつのまにか最後尾になっていることもある。良くも悪くも、そんな時代の波に真っ向から当たってきたのが、大阪である。 21世紀は環境の世紀といわれており、廃棄物処理においても2000年の循環型社会形成推進基本法が制定されるなど、ごみ処理の位置付けが大きく変化をしている。化石燃料や金属鉱石などの地下資源に依存した社会は今後維持できないことが明らかとなり、究極的な「持続可能な社会」をめざし、社会のしくみを大きく変えていかざるをえない。焼却炉の寿命は30年程度とされ、建て替えの時期を迎えている都市も少なくないが、30年後のごみがどのようになっているのか、予想することは簡単ではない。 一方で、ごみ処理の根本的な性質に関わる「衛生」「安全」といった側面は、100年前も今も変ることなく重要である。現在は幸いなことに、蓄積された努力により、安全・衛生が保たれているが、あまりその状態が継続していると、ついその大切さが見えなくなってしまう。構築するのに大変な努力が必要であったものの、失うのは一瞬である。 経済が長期的に安定し、さらに人口減少をうけて縮小に向かう中、少なくとも今まで通りの「やり方」では成り立たない。限られた社会資源の中で、何を作り上げていくのか、悩ましい課題である。 そして、まさにその洗礼を受けている都市がここにある。 目次 †第1章 ごみ処理の社会的役割と歴史 1 |